[←back][home][next→]

翡翠抄−ひすいしょう−

第六章第四節第四項(136)

 4.

 声が聞こえた。女の声。
「いた?」
「いいえ、どこにも」
 二人の女。やがて明かりに照らし出されてその姿が隠れている二人の目に映る。甲冑をまとった彼女たちはこの離宮を守る女兵士とみてとれた。
 女の一人がいう。
「しかし、考えすぎなのではありませんか? この抜け道は我らの中でもほとんど知る者がいない。そこを外部の者二人が使ったとみるのは無理があるような気がします」
「仕方ないでしょう。部屋からこつぜんと消えたのだもの。ほかも探しているけれど、ここが一番可能性が高いと、乳母殿がおっしゃるのだから」
 イスカはその台詞に軽く唇を噛んだ。
 ここの司令官は実質、女主人たるスイレンだ。司令官がいなくては彼女らは動けないと踏んだ。それは当たっている。ただし女主人不在の場合、代理をつとめられるほどの女傑がまだ一人残っていたことを完全に失念していた。
「さっさと調べて報告にいかなければね」
「この場所は秘密ですから、あまり人員が割けません。見落としもあるのでは?」
「それは考えたくないけれど……」
 カツン、とまた靴音が始まる。明かりがゆらめいた。
 このまま何事もなく通り過ぎてくれればいい、とイスカとコゥイは祈った。だがそう簡単に終わってはくれなかった。
「誰かそこにいるの!?」
 火ではなく光霊を使った明かりで、周囲はふわりと冷たい光が広がった。壁にへばりついたイスカとコゥイがはっきりと照らされる。
 見つかった。
 イスカとコゥイが動いたのはほぼ同時だった。
「女性にあまり手荒なことはしたくないんですけれどね」
 そうはいっていられないことなど百も承知。イスカは杖をふるった。相手も腰に吊した剣を抜いて体勢を整える。
「姫君を返せ!」
 男女の差はあれど共に竜。身体能力的には互角だ。武官としてつとめている女兵士と、文官としてつとめてきたイスカでは男女差もないかもしれない。繰り出される剣を杖ではじく。隙をついて攻撃に転じるがそれもことごとくかわされた。鋭い剣がイスカのこめかみをかすめる。血しぶきが飛んだ。
 相手は軽く舌打ちした。こめかみではなく目を突くつもりだったのだろう。イスカは杖を長く持った。まるで両手剣を扱うように持って剣をはらい、突きを出す。
 すかさず相手が避けたので突きは空を突いた。が、それと同時にイスカは無理矢理、杖の軌道を修正してあばら骨めがけて横払いをかける。
 馬鹿な、と声よりもはっきりと相手の顔に書いてあった。
 打撃音と一緒に、甲冑ごと骨がくだけた音が反響した。
「ぐ……」
「手加減なし、でしょう?」
 軽く息があがっていた。しかしすかさず杖をかえし、今度は相手の右手首を強打する。これでしばらく武器は使えまい。本当ならここで命も絶ってしまえば一番安全なのだが、イスカはこの段階にくると初めて躊躇した。セイならためらいもなく命を奪っただろう。イスカにはできなかった。
 崩れた女兵士に背を向けて、歩き出したときにイスカの体に痛みが走った。
 そっと自分の脇腹を押さえる。
「いつのまに」
 さすがは姫君の護衛。まともに対峙すると少し厳しかったようだ。じわりと血がにじむ。
 竜の体は普通の武器では傷つけられない。もしイスカを傷つけた武器が普通に人間達の間で使われている鉄製であれば皮一枚切っただけで済んだだろう。竜が使う武器は、竜の鱗で作ったものがどこでも使用されている。イスカの杖は固さと耐久性では一番を誇る地竜の鱗で作ったもの。ほかの竜鱗で作ったものとは強度が違う。水竜の鱗は薄く鋭い。切り裂く武器にはこれ以上ない素材だ。それでも、イスカが本体であれば水竜の鱗で作った剣とはいえここまで深く切ることもなかった。
 幸いなことにあばら骨は無事だし内臓も傷つけてはいない。ただ少し深く切っただけだ。心配はかけられない。水竜の姫君を人質にして、人間の青年を早く地上へ送り返してやらなければならないのだから。
 と、そこまで考えて敵はもうひとりいたことを今更ながら思い出した。
「コゥイさん!」
 イスカが声をあげたのと、視界に黒い跳躍が入ってきたのは同時だった。

 コゥイはただの人間だ。だから、いくら人間の姿をしているとはいえ竜を相手にまともな戦いになるわけがない。
 冷静に考えれば誰でもいきつく結論に、どういうわけかコゥイは思い至らなかった。
 イスカと戦う同僚を気にしていた女兵士に向かって、蹴り技を繰り出した。思いのほか簡単にそれは決まったのである。
「はっはぁ! 貴様ら、足を使った攻撃は苦手か?」
 コゥイには左腕がない。生まれつきではなく、あとから失ったものだ。それ以後、素手のときは足を主体に攻撃をかけてきた。跳べば、着陸まで隙ができる。しかし軸足に体重を残して素早く動けば、足は腕よりも攻撃の間合いが長い。一般論として間合いが長いほうが有利である。
「おのれ、下等な人間風情が!」
 女兵士は剣に手をかけた。しかし、竜の攻撃色をその目に宿した人間の青年は、歯を見せて笑ったかと思うと蹴りを出して柄を押さえ込んだ。
 ガチン
 抜かれそうになった刃は、右足で押さえられて再び鞘の中に押し戻される。
 女兵士の目が一瞬、赤く染まった。竜が本気で力をだせば、人間のコゥイの力ではいつまでも押さえ込めておけるはずがない。だからコゥイは即、次の行動に移った。体重を地面に付けた左足から、柄を押さえている右足に移したのだ。
「はッ」
 左足で地面を蹴り、そのまま柄を押さえた右足で踏ん張った。柄の上に駆け上がるかのように跳躍する。その勢いにまかせて左足で女兵士の頭を蹴りとばした。
 兜が飛んだ。
 イスカが見たのはちょうどこの場面だった。
「コゥイさん!」
 頭を蹴り上げられ、体を崩す女兵士。体重を支えていた柄という名の地面を失い、重力のままに落ちるコゥイ。どちらが勝ったのか誰の目にもあきらかだった。
 コゥイは着地するとすかさず体を返してそのまま倒れる女兵士に向かい、女の利き腕をねじり挙げた。相手が軽い脳震盪を起こしている間に行わないとこちらの身が危うい。ねじった腕に力を込めたが肩が脱臼する気配はなかった。舌打ちする。
「丈夫な骨してやがる」
「貸してください」
 イスカが横から現れて、コゥイの意図を察したのだろう、代わってくれた。イスカが相当力をこめて、やっと骨が外れるいやな音がコゥイの耳に届く。女兵士が痛みに耐えかね、悲鳴をあげた。
「竜ってのは、どれだけ丈夫な構造をしてやがるんだ」
「はぁ。基本的にこの姿をしているときは、それほど人間と変わらないはずなのですが……」
 イスカが苦笑しながら左脇腹を押さえていることに、気づかないコゥイではなかった。

 スイレンは、あっけにとられて目の前の出来事を見ていた。
 この離宮には女しかいない。兵士ももちろん女である。しかし仮にも水竜の長の姫たる自分がいるのだから、厳選に厳選を重ねた兵士がここに詰めているはずであった。たとえ少数でもよもや人間に負けるとは思ってもみなかったのである。
 思ってもみなかったといえばイスカもだ。文官だと思っていたし、荒事に無縁だとも思いこんでいた。少し考えてみれば精霊の長を守る盾と呼ばれていた存在が弱いはずがないのに、そう思いこんでしまったのは彼の容姿ゆえか。イスカは一度ならず二度までも、一人で女兵士を倒してしまった。
 そして弱いと思っていた人間は素手であるにも関わらず、足を使った奇襲で――それでも真正面から戦って――勝利した。あきらかに実践慣れしている。速さがまるで違う。一体誰が、人間は竜より劣っていると言い出したのか不思議なくらいだった。
 肉体的に「強い」ということにはある種の尊敬の念が生まれる。自らの体を鍛え上げた強さは魔法から生み出される強さとはまた違う。それはお姫様育ちで荒事には無縁だったスイレンにもよく分かった。竜は闘争本能を持つ生き物である。それが精霊や妖魔とは大きく異なっていて、かつ人間と同じ部分であった。特に群れで生活する獣にとって「強さ」は最も大切な要素である。竜もまた群れで生活する獣の一種だ。
 少年と男が、脱臼させた女兵士のそばにしゃがみこむ。
 何をしているのだろう。スイレンにはよくわからない。だが、二人を見るスイレンの視界の向こうでは最初にイスカに倒された女兵士が立ち上がっていた。
 あぶない、ととっさに警告していたが、当然ながら声が空気を振るわせることはなかった。
 スイレンはイスカに声を封じられている。二人はまだ、女兵士にもスイレンの警告にも気づかない。スイレンの足は封じられていないのだから立ち上がればいい。しかし、あせりとは裏腹に足はすくみあがってまったく動いてはくれなかった。
 味方である女兵士をこのまま黙って見守るべきだ、と理性のどこかが叫ぶ。
 二人はまだ気づいていない。何か二人、顔を近づけて言葉を交わしている。女兵士はつぶされた利き手とは逆の、左手に鋭い剣を握っている。あの剣でイスカはこめかみを切られた。息を殺して二人に近づいている。
 このまま、何もせずに、あの二人が斬られるのを、黙って、見ていればいい――。

 頭の中が真っ白になった。
 スイレンは封じられたはずの声を、あらんかぎり振り絞って叫んでいた。
「……うしろ……!」
 かすれ声が、か細く響いた。

 イスカとコゥイにはそれだけで十分だった。まるで申し合わせていたかのように二人は左右に分かれて跳ぶ。女兵士が振り上げていた剣は、その真ん中をさっくりと切り裂いてもうひとりの女兵士の甲冑に突き刺さった。
「味方まで斬るか?」
「思考回路までなくしたんですか」
 剣は甲冑に深くつきささって、なかなか抜けようとはしない。
「おのれ……たかが精霊崩れの分際で!」
 標的は完全にイスカだった。イスカは杖を構える。
「コゥイさんはスイレンをお願いします」
 その言葉に従ってコゥイはスイレンの側に寄った。水竜の姫君は小刻みに震えている。紙のように真っ白な顔色をしていた。
「ありがとよ、お姫さん」
 安心させるため彼女の背を軽く叩こうとしたが、思い直して手を添えるだけにとどめる。残念ながら、それでスイレンの震えが収まることはなかったが、彼女は青磁色の瞳をコゥイに向けてきた。なぜかその瞳は泣きそうになっていた。
 一方、イスカであるが。
 相手は剣を力任せに引き抜き、そのままイスカに突進した。闇雲に突き進んで勝てる相手ではないと先ほどの手合わせで実感したのだろう。一見すると頭に血が上っているようだったが剣さばきはさすがに的確で、イスカは防戦を強いられる。イスカの左脇腹からは赤い色が滲み出し、筋となって新品の法衣を汚していた。
 剣と杖が一度しっかり交わされる。
 双方力押しになって、互いに一歩も譲ろうとしない。譲ったほうが負けるだろう。
「……手を引いてください。僕は、あなた方を殺したくはない」
「それは私たちとて同じこと。姫君を放して引くがいい」
 この女兵士は、先ほどの台詞からしてイスカの素性を知っているらしい。水竜の姫に客分として迎えられた理由も、おそらくイスカが地竜の長に目をかけられている存在であることも。
「こちらも、できればそうしたいんですよ。僕たちはここに閉じこめられていたくないだけです」
 イスカがさらに押した。相手の女兵士は利き手とは逆の左手で剣を持っている。さすがにうまく力が入らないのか一歩退いた。イスカはさらに続ける。
「ここを出て地上に繋ぐには水竜の力が必要でしょう。スイレンでなくてもいい。ですが、ほかに協力してくれそうな水竜の方はここにはいらっしゃらない」
「こちらとて好きで解放しないわけではない。『予言の星』に与すると分かっていて野放しにする同胞が一体何人いる!?」
 女兵士は叫ぶと同時に、剣を横に払った。それとしっかり交わされていたイスカの杖も、剣の動きに流される。しかしイスカは体勢を崩すと同時に、遠心力を利用して相手に背中をむけるように女兵士の懐に潜り込んだ。杖の間合いではこの至近距離では攻撃できない。
「狂ったか!」
 傍観していたコゥイも同じことを思った。とっさにふところにしまった小さな刃を構える。
 同じ視点で見ていたスイレンも、狂ったように思った。
 しかしイスカは全くそれに頓着していなかった。
「お忘れですか。地竜は封じたり、一ヶ所に留め置いたりする術を得手としていることを?」
 女兵士は、動きを止めていた。
 足下には影がある。ちょうど、彼女たちが放り出した光霊の明かりを背にする位置だった。影を踏んで相手の動きを封じたことにする、というのは人間の子供の遊びにもある。
 イスカは影を踏んだ場所から足を動かさず、くるりと女兵士の真正面を向いた。
「こうやってあなたに触れることができれば、スイレンの声を封じたときと同じくあなたの動きをしばらく止めることも造作ない」
 そういってイスカは杖から片方の手を放した。
 何も握っていないその手を女兵士の顔の前にかざす。
「しばらくあなたの動きを封じます。助けがくるまで、ここで彫像のように突っ立っていてください」
 にこりと微笑んでみせた。
 彼のその笑顔を、そのまま無垢なるものとしてみるには少々コゥイやスイレンは色々なものを見過ぎてしまったようだ。

 戦いを終えたイスカはコゥイたちの元に駆け寄った。それこそ少年のように。脇腹の傷の痛みなどみじんも感じさせない。
「僕があの兵士さんを停止させるのがもう少し遅ければ、コゥイさん、その刃を使っていたでしょう。あぶなかった」
 スイレンの首に押しつけて脅した、特別製といっていた小さなそれ。
 イスカは最初から誰も傷つけないのは無理としても、誰の命も奪わないと決めていた。コゥイはそうではないからずっと心配だったのである。あぶなっかしい事この上ない。
「俺以上にあぶなっかしい奴にいわれたかねぇよ」
「それ、誰のことですか?」
 その二人の様子をみつめているスイレンは、もはや開いた口が塞がらないといった様相であった。

   *

 その頃。離宮の中心である広間では。
「まだ見つからないのですか!」
 乳母がかんしゃくを起こしていた。
「西門にも北門にも報告がありません」
「南門にも異常ありません」
「東門、異常ありません。ご安心ください、乳母殿。門に到着して、水竜の力を発動させなければ地上へ戻ることはできないのですから」
 どの門にも異常がないのだから、まだこの離宮のどこかにいると女兵士たちは報告した。
 乳母には責任がある。この離宮の管理と、姫君の目付役という責任が。よりによって招いた客分に姫を人質にとられるとは、あってはならないことだった。なぐさめとなるのは、かの客分はぜったいに姫君に危害を加えることがないと断言できることだった。
「しかし一体どこへ……門を通らなければ、地上へは出られないというのに……」
 名目上「門」といっているが、別にそれは離宮の一番端にあるというわけでもない。この大広間も立派に門として使われている。外界と竜の世界を繋ぐ場を、すべて「門」と呼び現しているだけだ。
 そこへ兵士の一人が乳母に駆け寄ってきた。近づいて礼をして、声を潜める。
「脱出路の探索へやらせた二人がまだ戻りません」
 どこでも、ある程度大きな場所には秘密の脱出路がある。乳母の脳裏に閃くものがあった。
「二、三人、口が堅くて腕っこきの娘を集めなさい。考えが甘かった。イスカ様は脱出路の抜け方くらいご存じやもしれません」
 同じくらいに密やかな声で返して、乳母はこの場から動けない自分の代わりに女兵士にある場所へ向かうよう指示した。
「本当に甘かったこと。まさか、あの場所もご存じなのでは……」
 部外者がそこまで知っているとは普通、思わない。そういう場所が脱出路の中にある。乳母は指を強く組んだ。

   *

 イスカはあきれたようにいった。
「あなた見てると、本当にどこかの誰かを思い出しますよ」
 あまりよい声音ではなかった。コゥイは敵だった女兵士からちゃっかり、武器を手に入れたのだった。逆追い剥ぎというやつである。もちろん人の話など聞いていない。
「これは腰に吊すのか? 片手じゃやりにくいな。おい、そっち持てよ」
 馬鹿正直に手伝ってしまうイスカもイスカである。
「水竜の鱗でできた剣か。切れ味はよさそうだ。その筋に売ればいくらになるかな」
「ほんっとうに、誰かを強く連想させます!」
「そいつが男前であることを祈ってるよ」
 吊した剣の重みをたしかめ、また素足で両足を踏ん張って跳んでみる。鉄製よりもはるかに軽やかだった。
「お気に召しましたか」
「ああ。ところで何を怒ってるんだ?」
「いいえ、ちっとも!」
 コゥイは真紅の瞳を細めて笑った。子供のように笑ったあと、笑顔のまま急に低い声で問う。
「脇腹は?」
 大丈夫なのかと、最後までいわない。真面目な声だったのでイスカも真面目に返した。
「ここじゃ手当の布もありませんよ」
 大丈夫だ、と気休めはいわない。痛いともいえない。ただ事実だけをのべたがコゥイにはそれで十分通用した。
 その間も、例の女兵士は彫像のように突っ立っている。何か言いたげな目だけがぎょろりと向くのが見ていると少し気味が悪い。コゥイとイスカは同時にそれを見つめたあと、両者ほぼ同時に目を離した。
「目的地を変更します」
 そういったのはイスカだった。
「ここまで追跡の手がまわって来ている以上、東西南北の門――あなたに分かりやすいようにいえば出口です――はすでに封鎖されているか見張りが増員されていることでしょう。ですから、無駄な争いをさけるためにも抜け道のさらに抜け道を利用します」
 その言葉に過剰に反応したのはスイレンだった。かすれるような声がさっき出たが、どうやらイスカの封印は解けかけているようだった。息が漏れる音が聞こえる。
 抜け道の抜け道とは穏やかではない。コゥイは片眉をあげたが、元々竜のことなど何もわからない身である。そこがどういう意味合いを持つのか、それに頓着するコゥイではない。レイガが側にいたならもう少し考慮しろと声をかけることもあったのかもしれないが、その相棒は海の上である。
「ああ。行こうぜ?」
 真紅の瞳がきらめいた。そして、スイレンに歩み寄って右手を差し出す。
「お手をどうぞ、お姫さん?」
 スイレンは口を真一文字に結んだ。
 そして、また強制的にスイレンはコゥイに担がれることになる。

+感想フォームを利用してくれる?+(作者が喜びます)
[<<前]
[次>>>]
[目次]
翡翠抄 −ひすいしょう−
Copyright (C) Chigaya Towada