08. 境界
どれだけ触れてもUP↑
どれだけ繋がっても
それでも私達は別個の個体
決してひとつにはなれないの
皮膚という境界線
溶けてしまえばいいのにね
そして私はあなたになる
あなたは私になる
どろどろに溶けて私達
やっとひとつになれるのよ
同じ夢が見られるかしら
同じ気持ちになれるかしら
体が繋がったら
心も繋がるのかしら
ありえないわね、そんなこと
私達はどうやっても別個の個体
境界線を越えられない
あなたは私になれないし
私はあなたになれないの
だから、この境界線をなくしてね
なくなるまで愛してね
私はあなたになれないけれど
あなたは私の中に入って来てね
体はいつまでも境界があるけれど
心はどろどろに溶けるまで
愛してね 抱いてね うんときつく
境界をなくしてね
私を愛してね
*
「猟奇殺人ですか」
「ええ、全身の皮膚が剥がされていたそうですよ」
犯行現場にて、刑事二人の会話。