物語構成と執筆のための60の質問 (02/06/30更新) [目次に戻る]
 
****まずはあなた(作者)に関することをお尋ねします。
Q1.あなたのHN、またはPNは?
ハンドルネームは茅(ちがや)。ペンネームは十和田 茅。
理由は、「とわださん」ではなく「ちがやさん」と呼ばれたかったから。
Q2.筆歴を教えて下さい。
(実年齢−15)年。
Q3.得意なジャンル、キャラクターはありますか?
えせファンタジーは操りやすいです。
男勝りの女性は好きです。あと、生活感溢れるシーン(特にごはん)を引き出しやすいキャラ。それに、女の尻に敷かれてる男ってのは妙に好きです……はっ、好きなものだらけ。
Q4.執筆は手書き派? それともPC派?
PC。昔は打つのが苦痛で(打つのが遅かったから)手書き派だったけれど、いまや手書きだと見せられない出来に……。
Q5.主に執筆に使用するソフト(ワード、一太郎、メモ帳など)はなんですか?
長編小説に関してはワード。
Q6.プロットは立てる人? 立てるとしたらどの程度立てますか?
現在、連載中のものに関しては名前のある登場人物全員の生まれと死に方が確定しています。
Q7.よく使ってしまう表現、言葉の癖などはありますか?
自覚してません。
Q8.文章中で日本語を正しく使えている自信、ありますか?
この質問に「はい」と答える人がいたらその人の小説を読んでみたいです。
Q9.速筆、遅筆、あなたはどちら?
「火事場のクソ力」タイプ。
〆切が迫ると異様に早いですが……褒められたことではないですね。
Q10.読者からあなた(作者)についてよくいわれることは何かありますか?
何についてですか?
作中キャラのラフ画に関しては後輩より「ちーちゃん先輩そのまんまですね、一目で分かりました」
文体に関しては読者様より「地に足の着いた文章ですね」(<誤解です)。
茅本人の印象については某オフ会の主催者様曰く「すっごい大人しい人かと思ってましたけど、茅さんて実は面白い人だったんですね!」。
****それでは物語の構成に入りましょう。
 ****最初に、その物語について基本的なことを教えて下さい。
Q11.その作品のタイトルを教えて下さい。
翡翠抄。ヒスイに関する話を集めたものという意味。「抄」には文集などに使われる「〜集」と同じ意味合いがあります。
Q12.主人公についてどうぞ。
タイトル通り、ヒスイちゃん。異世界からの来訪者にして、この「世界」の血も引く女の子。(うわッ、今、「女の子」と書いた瞬間に鳥肌がッ)
無口、無愛想、フェミニスト(本来の意味でね)。自分を傷つけるものには容赦しない、間違っても守ってあげたいタイプではないのに、なぜか(ヒスイを)守らなきゃと思っている人物ばかり周囲に引きつけてしまう性格の持ち主。
Q13.舞台となる場所についてどうぞ。
この「世界」は精霊がいて、妖魔がいて、そして竜がいます。世界各地をうろつくのでそんなもんでしょう。
Q14.その物語を5W1Hで簡潔に表すと?
……5W1Hって何でしたっけ。<マジ
いつ、どこで、だれが、なにを、どうした……あれ、ひとつ足りない。<冗談抜きで(汗)
Q15.ぶっちゃけどんな物語になる予定ですか?(悲しい話、楽しい話など)
目指せ、ハッピーエンド。(<目指せ、って……)
Q16.その物語の紹介文を書いてみて下さい。
女は痛みを知らぬ故に傲慢であり
男は痛みを知るが故に臆病になった
この二人が出会ったことからヒスイの全ては始まる

精霊が息付き、妖魔が暗躍し、人間達が日々を営む世界
この世界の王と異世界の女性との間に生を受けた少女は
予言の星として父の住む世界に「帰還」した

―予言の星は吉兆か、はたまた凶星か―
Q17.その物語の「ウリ」はなんだと思います?
ヒスイの出生。
Q18.その「ウリ」を出すために自分はどうするべきだか、明確に考えはありますか?
生まれる前から始めてみました。その結果、サラ様(主人公の母)に大半のファンをかっさらわれました(笑)
Q19.細かいあらすじが決まっているのはどのあたりまでですか? 起承転結で答えてみて下さい。
半永久的な答えとして、「現在」執筆中の章のラストまで。つまり第一章を書いているときは第一章のラストまで、第三章を書いているときは第三章のラストまで。章ラストを書き終えた時点では、一生懸命次の章の組み立てをし始めているところ。
Q20.今現在、執筆が終わっているのはどのあたりまでですか? 起承転結で答えてみて下さい。
「承」に入りました。
****もうちょっと突っ込んだところ聞いてみましょうか。
 ****まずは、キャラクター編です。
Q21.登場人物は総合で何人になる予定ですか?
物語に深く関わるのは13人。第二部(!)の登場人物と、名前持ちでも愛着のない人物など全部合わせると23人。あ、風竜様とか名前がなくて重要キャラがいるから、27人。この調子だとこの先、増える可能性あり。
Q22.その全部に役割がありますか? 削る必要のありそうなキャラっています?
死に花を咲かせる役割のキャラならおりますが、その「死」は必要事項なので削る必要があることにはならないと思っています。え、これ、ネタばれですか? 気にしない、気にしない。
Q23.その物語の主人公は、どのような点で「主人公」だと思いますか?
世界が彼女中心に回っている辺り?
Q24.これで客のつかみはバッチリだぜ! と思えるような萌えが主人公にありますか?
私の方が聞きたいです。あると思います、ねぇ?
Q25.これで客のつかみはバッチリだぜ! と思えるような萌えを持つ脇役、います?
男勝りの女王陛下は今でも人気があります。
Q26.主人公やキャラの過去や未来は決めてます? 決めているならちょっぴり教えて下さい。
主人公に限定させてもらいますね。両親は夢の中で出会いました。互いにとって異世界の住人である相手を男女は本気で愛し、そして女はヒスイを身籠もりました。
未来も聞きたいですか? 本当に? 後悔しません? では、以下反転。
ヒスイは子供を一人生んで死にます。この子供が予定では第二部の主人公ですが、そこまで書くか分からないですしー。ばらしちゃえ、ということで。
Q27.それはこの物語にどのように絡んでくるのでしょう? ネタバレギリギリまで教えて下さい(作者いぢめ)
過去については、銀の天使が鍵を握っています。
未来については、さほど大きく物語には関係しませんね。
Q28.主人公の性格を簡単に教えて下さい。
問12参照。
Q29.その性格がどのように物語に絡んでくるのでしょう? ネタバレギリギリまで気張ってどうぞ!(作者虐待)
作者虐待とまで気負って下さるところ悪いのですが、特にストーリーには関係しません。まあ、反骨精神に溢れた人間でないと運命に流されていたでしょうというくらい。
Q30.主人公、色々な意味で「特別」ですか? それともあえて「平凡」ですか?
「特別」ですが、特別揃いのキャラたちの中ではそれほど際立ったものでもないでしょう。なにしろ「平凡」が個性になってしまうキャラさえおりますので。
****そのキャラクターたちが活躍する場所をお尋ねしましょう。
 ****次は、舞台編です。
Q31.舞台となる場所のモデルはありますか? また、それはどこですか?
現在の舞台は「霧の谷」ですので、そこを基準に答えさせていただきます。モデルは日本か中国か。第一章を書いていたころは西洋風の風習のある国だったので、霧の谷は東洋風の風習のある国にしようと思っていました。でも日本をモデルにすると海とは切っても切れないし。中国の文化とも完全には相容れませんから、その辺りは色んな意味で和洋折衷しようと企んでおります。
Q32.どの程度モデルについて調べました? また、どの程度その知識を生かしていくつもりですか?
調べてません。ただ、中世西洋風世界についてはTRPGの資料を参考にさせてもらいました。利用しているのは主に食生活でしょうかね。一般的な調味料に砂糖はないんです!(こだわり)
Q33.作者萌えでもこの際構いません。この舞台に萌えはありますか?
……「萌え」って理解しづらいんですけど。逆に尋ねますが、なんかあると思います?
Q34.その物語の舞台からどんな空気が感じ取れればいいと思っていますか?
不便さと、自由。便利になるということはどこかできっちり管理されているということで、だからこそ便利なんです。その便利さをありがたがる反面、管理されている立場としての不自由さを感じることは少なくないと思います。「ファンタジーっていうのはね、その逆なんだよ。みんなが自分で自分の行動に責任を持たないといけない世界、だからこそ不便だけど魂はこれ以上なく自由なんだ」が、私の異世界のモットー。
Q35.この物語はその舞台がなければ成立しないと思いますか?
はい。なにしろ主要登場人物の半分以上が人間ではないもので。
Q36.世界観を説明するエピソードが物語の中にちゃんと組み込まれていますか?
今のところはないような。
Q37.難解な言語などが登場する舞台である場合、その裏は取れてますか?
難解な言語なんて登場しませんもの。
Q38.特殊な職業(芸術家、警察、冒険家、魔法使いetc...)が出てくる場合は、その裏は取れてますか?
聖職者・魔術師・精霊使いに関してはその裏側の組織や成り立ち、魔法体系など決定しています
Q39.世界観、適当と答えた方もしっかり裏を取ったという方も、巧く嘘をついていくことができそうですか?
ツッコミ大歓迎って程には。だってツッコミくださったほうが弱点が見えて面白いではないですか。ここは私の想像の世界。つじつま合わせならいくらだってできますもん。
Q40.「……自分、もしかして設定に溺れてる?」と考えたことが一度でもある?
あります。的確な感想をくださる読者様の存在がありがたいです。「ここ、ちょっと分からなかったんですけど……」とためらいがちに下さる感想にどれだけ助けられたか。意図的な部分以外で「分からない」ってのは作者が設定に溺れてるからだとうちの場合は思っています。そんなにたくさん謎かけしながら進む小説ではないもんで。(そのわりに、ある章ではネタばれ炸裂しまくったっけなあ、おい?)
****さらに入り組んで聞いてみましょうか。
 ****物語の中心になる事件についてお尋ねします。(あくまで「予定」で結構です)
Q41.どんな事件なのか、さわりだけでいいので少し教えて下さい。
事件というか、主な謎はふたつ。
1)銀の天使がヒスイの両親を出会わせた目的はなにか。
2)この「世界」にとって予言の星(=主人公)はどういう役割を持っているのか。
あとはヒスイとそのお供たち(<口悪くいえば、です)の成長物語ですか。
Q42.それはありふれた事件だと思いますか? 思うとすれば、目を惹く何かがその中にありますか?
異世界(サラ側)を関係させたのが工夫っちゃあ工夫ですかね。
Q43.実はわざとありふれた事件を選んだ確信犯だったりして?
ありふれてないと答えた人間のことは考えてない設問ですね? 嘘です。
書きたい物を書いているだけなんで事件とか考えてないんです。
Q44.ちゃんと考えている枚数で事態は収拾できそうですか?
枚数なんか考えていませんもの。連載当初は十年で完結させる予定でした。なんか予定よりも早く終わりそうで嬉しいなぁ。
Q45.その事件でよもや主人公以上に脇役が目立っちゃうなんてこと、ありません……よね? ね?
可能性は大いにありますね。目下、強力なライバルはサラ様です(笑)
****もう書き終わっているところに関してお聞きします。
 ****起承転結の「起」。冒頭について教えて下さい。
Q46.印象深い台詞や引用文を一つでも冒頭に登場させましたか? またそれはどんな文章?
妊娠検査薬は陽性を示していた。
Q47.ゆるやかに入る導入にしましたか、それともどんと事件を出して読者を引きずる導入にしましたか?
ゆるやか。
Q48.上記の導入方法にして正解だったと思う? またそれはなぜ?
半分、失敗しました。サラが圧倒的な人気を誇るのはひとえに序章の恋物語が原因です。おかげで主人公のはずのヒスイが二番煎じのようになってしまって……違うのよー、これは最初からヒスイの物語なのよー!
Q49.着実に主人公の性格や世界観を説明しながら進んでいますか?
多分。
Q50.冒頭だけ見れば、自分の物語は大分上出来だと思う?
冒頭に限定すれば、の話。序章そのものは失敗した感があります。全体的にだらだらしすぎ。初めての長編で気負いがあったのが読み返すと丸わかりです(汗)
****では、最後に物語の裏側、地道な努力について教えて下さい。
 ****まずは文章表現について聞いてみましょう。
Q51.とりあえずこの物語に関しての質問です。どのような文章にしたら物語が際立つと思いますか?
あまり軽い表現は似合わないのではないかと思います。ですので、うちで一番軽い人物の言動をどうしようか考えて、少しセーブしてます。なにしろ彼の台詞には文末に音符や星がよく似合いそうなもので……。
Q52.文章のページ配分って決めたりしますか? 決めるとすればどのように?
一頁5000文字強を目安にしてます。ページの中に起承転結があれば完璧。
Q53.例えば何かを象徴的に使って伏線張ったりしてますか?(回答はネタバレ危機のためYes or NoでOK)
使ってます。序章と第一章「異世界への帰還」は伏線の嵐です。
Q54.一番力を入れている描写はなんですか?(心理、風景、人物etc...)
キャラクターの髪の色と瞳の色。人物描写ということになるんですかね。私は作中登場人物の名前を覚えません。なにしろオフラインでもなかなか人の名前を覚えないんですから。「顔」という目印をもてない「小説という手法」では台詞や挿し絵、その人物を表す文の印象で人物を区別するんです。うちは挿し絵を採用していませんし、だから、キャラクターを読者様の頭に叩き込んでもらうためにくどいほどキャラの髪と瞳という特徴を繰り返します。
ただし成功しているとは限りませんけどね。セイなんか「あれ、髪の毛って青じゃなかった?」とかいわれましたし。しくしく、赤毛なんです、奴は。
Q55.また逆に、(わざと・苦手問わず)力を入れていない描写はなんですか?(心理、風景、人物etc...)
情景描写!
ものすごーく苦手です。苦手を克服すべく最近では少しずつ増やしているんですが、それでも弱いなと思います。心理描写も最近は弱いですね。なにしろうちの主人公はあまり感情の起伏がない。情景描写と心理描写が弱くて、それのどこか小説なんでしょう(涙)
余談ですが、近代日本文学というのは情景や人物の描写にあまり力を入れてきていないんです。主人公がどんな見た目なのかは関係がなく、その人物がどう思ったのかとか心理描写はくどいほどに書いてある。近年の小説で情景描写が細密な物がもてはやされるのは、私は間違いなくマンガの影響だと思っています。つまり読者が脳裏に詳しくその情景を思い浮かべることが出来るのがよい小説ってことになるんですよね。
****これ無しには物語は物語としてあらん、物語の影の主役? についての質問です。
 ****伏線についても聞いてみましょう。
Q56.伏線のありようについてあなたの考えは?
はい? えーと、なんとなく張り巡らせたくなります。
Q57.ダミーの伏線、あるいは気づかれるべき伏線も張ってますか?
ダミーの伏線は推理小説以外の小説だと読者を混乱させるだけだと思うので使っていません。気付かれるべき伏線は臨機応変に。伏線というのは気付かれてなんぼだと思ってますから。でも、結局はほとんど気付かれないんですよね。
一番嬉しかったのはとあるネタばれをしたとき、「どこそこでこういう表記があったとき、気付くべきだったのに!!」と読者様に残念がっていただいたことがありまして、あれはガッツポーズしました(笑)
Q58.今までに張った伏線、すべて思い出せます?
なんども読み返すくせがあるので、そのつど「あ、ここは後で回収しなきゃならない伏線だったよね」と思います。一応、作者ですから意図した部分には気付きます(笑)
Q59.伏線は繰り返し張りますか、それとも一度張ったらおしまいですか?
同じ結果に繋がる伏線は一度張ったらおしまいです。
Q60.最後まで謎に責任を持てる!と自信を持って言えますか?
当然。

後半40の質問は完結後に公開予定……いつ終わるだろうなぁ。

質問はここからいただきました →  「* 物語構成と執筆のための100の質問 *

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