<Babys>

注意:翡翠抄のキャラを借りていますが、設定含めあのキャラ達とは全くの別人とお考えくださいませ。
じゃなきゃ、こんなの書けませんって。
 

「ヴァーブ」
「バブ、バブバビュバブ」
 一人の女児を間に挟んで二人の男児がケンカをしている。と、そこにもう一人の女児が加わって、間に挟まれた女児を突き飛ばした。
 突き飛ばされた女児は泣きも怒りもしない。
 だが、男児が黙っていなかった。
「ふぇ、ふ、う、うわぁぁぁ〜〜〜〜ん」
 激しく泣き出す女児。
 慌てて保母さんが飛んできた。
「セイ!! コウイ!! 女の子を泣かしちゃいけませんって言ってるでしょう!!」
「バブゥ、バブバブ」
って、赤ちゃん言葉はいまいち理解し難いので、以下、翻訳文。
「セイが悪いんだい」
「何だとぉ、コウイだってぶっただろう」
「セイの方が叩いた数、多かったですわ」
「スイレン、お前なぁ、何でそうやってコウイをかばうんだよ」
「だって、本当ですもの」
 当事者の一人である、もう一人の女児――翡翠――は何も言わず、ただ保母さんの顔をじっと見ている。
「だいたい、お前が翡翠を突き飛ばしたからだろう!」
「だって、セイはともかく、コウイまで翡翠にばっかりかまうからですわ」
「そうだそうだコウイが悪い。お前はスイレンの相手してればいいんだよ」
「私が悪いのか?」
 翡翠が唐突に会話に入ってくる。
「違うよ、翡翠は何にも悪くない」
「おう、翡翠は悪くなんかないぞ」
「いーえ、悪いですわ。あなたはセイとだけ遊んでればいいのに、コウイにまで手を出すんですもの」
「それは翡翠のせいじゃないだろ」
「うん、翡翠のせいじゃない。悪いのはコウイ、お前だ」
「そうなのか?」
「そうだよ、翡翠は悪くない」
「いーえ、コウイと遊ぶのなら、翡翠は悪いですわ」
「スイレン、私は別にコウイに遊んでほしいと頼んだことはないのだが……」
「だったら、どうして、コウイはいっつもあなたの側にいるんですの!?」
「……どうしてだ、コウイ?」
「あ〜、もう、ずっと言ってるだろ!! 俺は翡翠のことが好きなの!!」
「好きだと遊びたいのか?」
コウイ、撃沈。このスキにスイレンがコウイをさらっていた。
「良かった、スイレンちゃんは泣き止んだようね。さてと、」
言って、保母さんは翡翠を抱き上げた。
「翡翠ちゃんはモテるわねぇ。セイくんとコウイくん、どっちが好きなの?」
 翡翠はしばし考え込む。そして、
「レイガちぇんちぇ」
つまり、レイガ先生=保母さんである。
翡翠が答えた刹那、セイとスイレンの腕を逃れたコウイの蹴りがレイガ先生を襲うが、先生は全く無視。
どころか、勝ち誇った笑みを浮かべて、セイとコウイを一瞥すると、
「じゃあ、翡翠ちゃん、先生とあっちでいっしょに遊びましょうか」
 そう言って、翡翠を抱き上げたまま、砂場へと消えていってしまった。
 直後、セイとコウイは同盟を結んだが、5分もしない内に破棄されたとか……


あとがき
ラエスリールのイメージで翡翠ちゃんのセリフを考えてみました☆
レイガ先生の性別は女ってことにしてます、一応。
だって、子守り姿が似合いそうだったんだもん……

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